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マンションなどの敷地内に設けられた歩道状空地は、一定の要件を満たす場合、相続税評価上、私道として評価できることがあります。
一方、似たようなものとして公開空地というものがありますが、歩道状空地とは取り扱いが異なります。
こちらのページでは両者の違いと評価方法を解説します。
<目次>
1.歩道状空地とは?
2.歩道状空地の相続税評価額
3.歩道状空地と公開空地の違い
4.相続税還付の相談
5.歩道状空地と公開空地の評価根拠
歩道状空地とは、以下の①から③に該当するものとなります。
①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備されたものであること
②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであること
③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていること
なお、歩道状空地を提供することによる容積率・高さ制限の緩和などは基本的にありません。
歩道状空地の要件を満たしている場合には、私道として評価をすることができます。
こちらの取扱いは、最高裁判所平成29年2月28日判決を機に評価方法が変更になりました。(従来は通常の宅地として評価する必要がありました。)
注意点としては、名称が歩道状空地となっていても内容や要件を満たしておらず、公開空地に該当する可能性もありますので、現地立て看板や各種資料上の名称だけでなく、内容や要件を基に歩道状空地かどうかを判断する必要があります。
私道の評価方法は①特定の者の通行の用に供されている道路の場合には30%評価、②不特定多数の者の通行の用に供されている道路の場合にはゼロ評価になります。
歩道状空地は「第三者による自由な通行の用に供されていること」が要件となっていることから、「不特定多数の者の通行の用に供されている道路」に該当するケースが多いと思います。
例えば、通り抜け可能な歩道状空地の場合など、不特定多数の者の通行の用に供されている道路に該当する場合には、ゼロ評価になります。
公開空地とは、敷地内に歩行者が日常自由に通行又は利用できる空地のことで、以下の①と②に該当するものとなります。
①建築基準法第59条の2のいわゆる総合設計制度により容積率・高さ制限の緩和を受けるために設けられる空地であること
②居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていること
公開空地も「居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていること」が要件となっているため、一見すると私道として評価できそうに見えますが、こちらは容積率・高さ制限の緩和を受けるなど、建物を建てるために必要な敷地となりますので、私道として評価はできません。
建物の敷地として評価することになります。
相続税評価の違いをまとめると以下のようになります。
| 区分 | 相続税評価の取扱い |
| 歩道状空地 | 私道として評価 |
| 公開空地 | 建物の敷地として評価 |
※歩道状空地と公開空地の判断は、単に名称だけではなく、内容や要件を満たしているかどうかで判断をします。
歩道状空地について、公開空地として高い評価で相続税の申告をしてしまっている場合でも、亡くなってから5年10ヶ月以内であれば申告内容を修正することが可能です。払い過ぎていた分は税務署に返金してもらうことができます。
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歩道状空地と公開空地の評価方法は国税庁の質疑応答事例で紹介されています。
一般社団法人相続財産再鑑定協会 代表理事
(佐藤和基税理士事務所 代表税理士 佐藤和基)
相続税専門の税理士法人出身。平成26年1月に相続税専門の税理士として開業。
「不動産の知識があれば相続税は取り戻せます」(2015年12月/住宅新報社)「税理士の失敗事例から学ぶ相続土地評価のポイント」(2018年2月/同友館)の著者。