受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~12:00(土日祝日) |
|---|
不動産を活用した相続税対策は、近年の税制改正により大きく変化し封じられてきています。
まずはタワーマンション節税ですが、居住用の区分所有財産については、令和6年1月1日以降の相続等による取得からは評価方法の変更により、時価の60%水準の評価になりました。
そのため、タワーマンション節税は、従来のような節税効果が期待できなくなりました。
また、令和8年度税制改正により不動産小口化商品と貸付用不動産についても令和9年1月1日以降の相続等による取得からは評価方法が変更されます。
不動産小口化商品については、時価評価になる予定のため、節税効果が期待できなくなります。
貸付用不動産については、相続開始5年以内の取得等については時価の80%水準で評価される予定のため、今後は、早期の生前対策が必要になります。
今後は不動産を活用した節税対策は大きく封じられることになりますが、貸付用不動産については、5年を超えて所有することで節税も有効になるため、早期の生前対策が求められます。
早期の生前対策が必要になりますが、特に節税効果の高いものが「区分所有オフィス」になります。
こちらのページでは、最新の税制改正を踏まえ、区分所有オフィスの相続税対策としての有効性について解説します。
すでに区分所有オフィスを活用した節税を検討中の方は、相続税専門の税理士に相談をして判断することをお勧めします。
不動産は相続税対策として活用される代表的な資産の1つとなります。
理由としては、現金預貯金と異なり、不動産の相続税評価額は時価よりも低く算定されやすいことが多いためです。
例えば、土地の場合には地域によって路線価区域と倍率区域に分かれますが、路線価区域の場合、時価の80%程度になります。
家屋については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になり、時価の60%程度になります。
さらに賃貸の場合には、土地の評価は貸家建付地として、借地権割合にもよりますが、約20%程度の評価減になり、家屋の評価は貸家として30%の評価減になります。
このように不動産の評価は時価と比較して下がりやすいことから、相続税対策として活用されてきました。
特にタワーマンションや不動産小口化商品は、土地面積が小さく計算されるなど、評価の仕組み上、時価との差額が大きくなりやすく、圧縮率が80%前後になるなど、非常に大きな節税効果がありました。
ただし、不動産を活用した節税対策は、節税効果が高すぎることからタワーマンションについては令和6年以降見直しがされ、不動産小口化商品については、令和9年以降から見直しとなり節税効果が低くなります。
近年の税制改正では、不動産を活用した節税について、封じられる傾向にあります。
従来の区分所有財産の評価方法では、市場価格と乖離しており、主な要因としては下記のことが考えられました。
①区分所有建物の価額
建物の評価額は、再建築価格をベースに算定されていますが、市場価格はそれに加えて建物の「総階数」、マンション一室の「所在階」も考慮されているほか、評価額への「築年数」の反映が不十分だと、評価額が市場価格と比べて低くなるケースがあります。
つまり建物の効用の反映が不十分となっていました。
②敷地(敷地利用権)の価額
マンション一室の敷地利用権の価額は、平米単価に共有持分で按分した面積を乗じて評価されますが、この面積は高層マンションほどより細分化され狭小となるため、このように敷地持分が狭小なケースは立地条件の良好な場所でも、評価額が市場価格と比べて低くなります。
つまり狭小で評価され、立地条件の反映が不十分となっていました。
令和6年1月1日以降の相続等からは、相続税評価額が市場価格と乖離する要因となっている「築年数」、「総階数」、「所在階」、「敷地持分狭小度」の4つの指数に基づいて、評価額を補正する方向で通達の整備が行われました。
具体的には、これら4指数に基づき統計的手法により乖離率を予測し、その結果、評価額が市場価格理論値の60%に達しない場合には、60%に達するまで評価額を補正するというものになりました。
居住用の区分所有財産の評価方法について、詳しく知りたい方は「タワーマンション節税改正|6割評価の回避方法の解説」をご覧ください。
不動産小口化商品とは、特定の不動産を1口100万円又は1,000万円など、小口化して販売している商品で、賃料収入等を所有口数により出資者に分配する商品です。
都市部の優良不動産を購入するには多額の資金が必要になりますが、不動産小口化商品であれば、少額から投資が可能になります。
例えば10億円の不動産を1,000口で募集する場合、1口100万円で出資することができます。
六本木ヒルズやGINZ SIXなども不動産小口化商品として販売されていました。
また、相続税評価額も時価に対して、約80%前後圧縮されるものが多く、非常に節税効果の高いものとなっていました。
ただし、令和9年1月1日以降の相続等からは、不動産小口化商品のうち、任意組合型又は信託受益権型の貸付用不動産については、その取得の時期にかかわらず、相続開始時又は贈与時における通常の取引価格に相当する金額によって評価することになりました。
この「通常の取引価格」とは、課税上の弊害がない限り、次の①、②又は③に掲げる価格等を参酌して求めた金額によって評価します。
①出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格、買取価格等
②事業者等が把握している適正な売買実例価額
③定期報告書等に記載された不動産の価格等
ただし、上記①、②又は③に該当するものがないと認められる場合には、貸付用不動産の評価方法準じて取得価額をベースに80%で評価します。
不動産小口化商品の改正内容について、詳しく知りたい方は「2026年度税制改正【令和8年】|不動産小口化商品を徹底解説」をご覧ください。
従来はタワーマンションや不動産小口化商品を活用した節税など、非常に大きな節税効果がありましたが、近年の税制改正では、このような評価差額を利用した過度な節税に対して、封じられる傾向になっています。
タワーマンション節税については、60%水準での評価のため、現在でも40%の圧縮は可能ですし、不動産小口化商品についても小規模宅地等の特例は適用が可能になると思われますので、完全に節税効果がなくなるわけではありませんが、節税効果は低くなっています。
また、貸付用不動産については、相続直前での駆け込み節税を封じるため、5年以内の取得又は新築等について、評価方法が変更されます。
そのため、今後の不動産を活用した節税対策では、早期の対策が必要になります。
5年超の保有が前提となりますが、今後は早期の生前対策による不動産活用が考えられます。
その中でも特に節税効果が高いものは区分所有オフィスになります。
以下、区分所有オフィスについて解説します。
区分所有オフィスとは、オフィスビルの一室やワンフロアを、分譲マンションのように分割して、区分所有登記をして所有するものになります。
所有者は自分の購入した専有部分について、自由に内装やレイアウト変更をすることができます。
廊下やエレベーターなどの共用部分は管理組合を通じて共同管理されます。
管理費や修繕積立金は専有部分の面積に応じて負担することになります。
1棟所有オフィスは、大規模で、かつ、高価格になってしまうため、個人での購入はなかなか手を出すのは難しいと思いますが、区分所有オフィスであれば、比較的手を出せる価格帯になってくると思います。
区分所有オフィスが相続税対策になる理由は、従来のタワーマンションや不動産小口化商品の評価方法と同様の理由になります。
つまり、一般的な土地の評価は時価の80%程度になり、建物は時価の60%程度になりますが、都心部などの一等地は時価と路線価の乖離も大きくなりやすく、時価の50%以下になることも珍しくありません。
また、区分所有の場合には、土地の面積が小さく計算されることから、評価の仕組み上も時価と比較すると大きく下がりやすくなっています。
さらに賃貸物件の場合には、借地権割合に応じて土地の評価額は約20%前後の減額、建物の評価額は30%の減額がされます。
区分所有オフィスの物件にもよりますが、ここまでの減額で80%前後下がるものが多くあります。
また、相続で取得する場合には、賃貸物件は3年超所有することで小規模宅地等の特例を適用することが可能ですので、さらに土地の評価は50%減額されます。
令和6年以降の相続等からは居住用の区分所有財産は評価方法が変更となりますが、こちらの要件は居住用の区分所有となりますので、居住用ではないオフィスビルは規制の対象から外れています。
また、令和9年以降の相続等からは不動産小口化商品の評価方法が変更となりますが、不動産小口化商品には該当しない区分所有オフィスは規制の対象になりません。
令和9年以降は区分所有オフィスも賃貸物件の場合には、貸付用不動産の5年以内取得の場合には規制の対象となりますが、早期に対策をして5年超保有することで、従来と同様に節税対策として利用することができます。
令和9年以降の区分所有オフィス(賃貸用)の評価方法についてまとめると下記の通りとなります。
| 取得から3年以内の相続等 | 時価の80%評価 | 小規模宅地等の特例なし |
| 取得から3年超5年以内の相続等 | 時価の80%評価 | 小規模宅地等の特例あり |
| 取得から5年超の相続等 | 従来の評価方法(時価の約20%前後) | 小規模宅地等の特例あり |
上記の通り、今後は早期対策がより重要になってきます。
居住用の区分所有財産(タワーマンション等)、不動産小口化商品、賃貸用の区分所有オフィスのそれぞれの節税効果について、比較すると下記の通りとなります。(小規模宅地等の特例は特に変更がありませんので、小規模宅地等の特例を考慮する前の比較となります。)
| 種類 | 効果 |
| 居住用の区分所有財産 | 圧縮効果は40%程度 |
| 不動産小口化商品 | 圧縮効果は基本的になくなる見込み |
| 賃貸用の区分所有オフィス | 5年以内は圧縮効果20%、5年超は圧縮効果80%前後 |
賃貸用の区分所有オフィスは物件によっても圧縮率は異なりますが、5年超所有することで、都心部の一等地の物件であれば、80%前後の圧縮率になります。
区分所有オフィスのメリットとデメリットをまとめると下記のようなものがあります。
メリット
・資産として保有できる
・5年超保有することで相続税の節税効果が高い (圧縮率は80%前後)
デメリット
・維持費(管理費、修繕積立金)が発生する
・管理組合による制約がある
・元本保証・賃料収入の保証がない
・流動性が低い
・地域や物件による差が大きい
・5年以内に相続が発生すると節税効果が低い
・行き過ぎた節税をした場合の財産評価基本通達6項の否認リスク
区分所有オフィスは非常に大きな節税効果がありますが、オフィス需要は立地条件に大きく左右されるため、物件選びが重要になります。
例えば、都心の駅近(駅から徒歩5分以内など)の物件、周辺の再開発の状況、上場企業・関連企業の集積など、高い付加価値のある物件を選ぶことで、トータル面で損をしないように注意しましょう。
また、財産評価基本通達6項では「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の評価は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と定められています。
曖昧な表現のため、適用要件がわかりにくいですが、「行き過ぎた節税対策」に適用されます。
ただし、財産評価基本通達6項は伝家の宝刀と言われ、むやみやたらに適用されることはありません。
令和元年から令和6年までの不動産評価に対する財産評価基本通達6項の適用件数は、年間平均で約2件となっています。
財産評価基本通達6項は節税金額が億単位になるような高額で、かつ、亡くなる直前に購入をしているなど、あからさまな節税対策に適用されているため、5年超保有することが前提となる区分所有オフィスを活用した節税対策については、適用される可能性は高くないと思いますが、高額な節税を検討する場合には、注意が必要です。
相続税対策では、いきなり節税対策をするのではなく、まずは現状分析をする必要があります。
現状分析では、相続税の試算、財産の構成比(金融資産と固定資産のバランス)などを把握し、生前対策の優先順位を決めます。
生前対策には節税対策、納税資金対策、遺産分割対策があります。
例えば、財産の構成比で不動産が大半の場合には、納税資金の確保や相続人間で均等に分けることができるかどうか検討する必要があります。
例えば、生命保険の活用や売却する不動産の選定等をすることになります。
そのため、必ずしも節税対策が優先になるとは限りません。
まずは、ご自身の生前対策での問題点と優先順位を把握する必要があります。
区分所有オフィスを活用した節税対策も同様です。
例えば、財産の大半が不動産で金融資産の少ない方の場合には、節税対策よりもまずは納税資金の確保をするための対策を優先した方が良いと思いますし、対策をする方が高齢である場合には、5年以内の規制対象になる可能性がないかも検討する必要があります。
以上の点を踏まえて、区分所有オフィスの活用に向いている人は以下のような方になります。
・相続税の節税対策が優先になる
・生前対策をする方が高齢ではない(5年以内の規制に引っかからない)
・所有財産の構成比で金融資産の割合に余裕がある(納税資金や遺産分割に問題がない)
逆に注意すべき人は以下のような方になります。
・相続税の節税の優先順位が低い
・財産の構成比で不動産の割合が多い(納税資金の確保が難しい)
・区分所有オフィスを購入することで遺産分割がしにくくなる(相続人間の争いリスク)
・生前対策をする人が高齢で5年以内の規制に引っかかる可能性が高い
区分所有オフィスを活用した節税対策は、上手く利用することで、大きな節税効果が期待できますが、デメリットや注意点もありますので、まずは相続税専門の税理士に相談をして、現状分析と生前対策の優先順位を把握されることをお勧めします。
ご自身が区分所有オフィスを活用した節税をした方が良いか判断に迷われる場合には、相続税専門の税理士に相談することをお勧めします。
不動産を活用した節税は封じられる傾向にありますし、貸付用不動産の評価方法のように直前での駆け込み節税も封じられてきています。
不動産以外の節税対策についても、以前は生前贈与加算の加算期間は相続開始前3年以内だったものが、令和6年1月1日以降の贈与からは相続開始前7年以内に延長されました。
生前贈与加算について詳しく知りたい方は「生前贈与加算の改正|相続時精算課税制度で加算を回避」をご覧ください。
また、生命保険を活用した節税についても、相談者の年齢が若い方が選択肢も多くなります。
そのため、今後の相続税の節税対策については、不動産に限らず早期の対策実行が必要になってきます。
一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所では、区分所有オフィスを取り扱う不動産会社との業務提携が複数社ありますので、区分所有オフィスを活用した節税対策については、ご相談したい方は気軽にご相談ください。
代表の佐藤和基は相続税専門の税理士ですので、相続に関する知識や実績が豊富です。
区分所有オフィス以外の不動産を活用した節税対策や相続税に関する内容もご相談ください。
区分所有オフィスを活用した節税のご相談については、近年の税制改正の内容を踏まえて当分の間は初回の相談料は無料とさせていただきます。
ご希望の方には、区分所有オフィスを扱う不動産会社と一緒にご相談にも対応させていただきます。
一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所の紹介で区分所有オフィスを購入される場合には、購入前後のフォローも無料対応させていただきます。
〇区分所有オフィスによる節税効果のシミュレーション計算
〇区分所有オフィスに関する相続税・贈与税の税務相談
〇区分所有オフィスに関する物件情報や不動産会社のご紹介
〇不動産会社をご紹介する際の同席(同席不要な場合にはご紹介のみでも可)
〇税制改正等により評価方法が変更になる場合の情報共有及び対策の検討
〇佐藤和基税理士事務所が税務代理を行った相続税申告において、財産評価基本通達6項による否認を受けた場合の不服申立て(再調査の請求、審査請求)の着手金無料対応(成功報酬は発生しますので、詳しくはお問合せください。)
【A1】不動産による相続税対策が完全にできなくなったわけではありません。
ただし、従来のように評価差額を大きく利用した節税手法は見直しが進んでおり、以前と同じような効果は期待しにくくなっています。
現在は、不動産の種類や活用方法を適切に選ぶことと、早期に対策をすることが重要です。
【A2】タワーマンションを活用した相続税対策は、評価方法の見直しにより令和6年以降は節税効果が縮小しています。
ただし、時価の60%水準になるような変更のため、40%程度は圧縮効果があります。
【A3】不動産小口化商品については、令和8年度税制改正により、令和9年以降は時価をベースとした評価方法へ見直される予定です。
小規模宅地等の特例は適用できると思われますので、全く節税効果がなくなるわけではないと思いますが、従来と比較すると大幅に節税効果はなくなります。
【A4】区分所有オフィスとは、オフィスビルの一部を区分所有する不動産のことです。
近年の税制改正により居住用の区分所有財産と事業用の区分所有財産では評価方法も異なります。
【A5】区分所有オフィスは居住用不動産には該当しないため、評価方法が異なっています。
具体的には居住用の区分所有財産の評価が適用されないため、従来のタワーマンション節税等とほとんど同様の節税効果があります。
そのため、従来の不動産節税が難しくなった中で、新たな選択肢として注目されています。
ただし、取得から5年以内に相続が発生する場合には時価の80%水準での評価になる見込みのため、5年超保有できるように早期に対策をする必要があります。
【A6】相続税の負担が大きくなる見込みの方で、納税資金対策や遺産分割対策よりも節税対策を優先される方に向いています。
ただし、財産の構成比(金融資産と固定資産の割合)で、すでに不動産が大半であるなど、納税資金の確保が難しい方や遺産分割で争いになるリスクのありそうな方などは、優先順位が異なります。
事前に相続税専門の税理士に相談をして、相続税の試算等の現状分析と問題点の把握をすることが大切です。
【A7】不動産を活用した相続税対策は、相続税・不動産の両方の知識が必要となるため、相続税専門の税理士等の専門家への相談をおすすめします。
特に近年は不動産評価についての税制改正が頻繁に行われているため、最新の情報を踏まえた判断が重要です。
一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所の代表である佐藤和基は相続税専門の税理士ですので、相続税に関する知識や実績が豊富です。
不動産会社との繋がりも多くありますので、不動産会社とも連携をしてアドバイスが可能です。