令和元年分の相続税の申告状況について

国税庁から令和元年分の相続税の申告状況について発表がありましたので、概要をお伝えします。

1.被相続人の数

令和元年中に亡くなられた方(被相続人)の数は1,381,093人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人の数は115,267人でした。課税割合は115,267人/1,381,093人の8.3%となっています。

ちなみに平成30年中については被相続人の数は1,362,470人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人の数は116,341人の課税割合が8.5%でした。

2.課税価格

課税価格の合計は15兆7,843億円で、被相続人1人当たりでは1億3,693万円となっています。なお、平成30年の課税価格の合計は16兆2,360億円で、被相続人1人当たりでは1億3,955万円となっていました。

3.税額

税額の合計は1兆9,754億円で、被相続人1人当たりでは1,713万円となっています。ちなみに平成30年については税額の合計は2兆1,087億円で、被相続人1人当たりでは1,812万円となっていました。

4.相続財産の金額の構成比

相続財産の金額の構成比は、土地34.4%、現金・預貯金等33.7%、有価証券15.2%の順となっています。ちなみに平成30年については土地35.1%、現金・預貯金等32.3%、有価証券16.0%の順となっていました。

5.相続税の調査事績

令和元事務年度の調査等については、コロナ渦の影響等で実施件数は平成30事務年度が12,463件に対して、令和元事務年度が10,635件に減少しています。申告漏れ課税価格についても平成30事務年度が3,538億円に対して、令和元事務年度が3,048億円に減少しています。

その一方で、実地調査1件当たりの追徴課税は平成30事務年度が568万円に対して、令和元事務年度が641万円に増加しています。特に無申告事案については、1,077件の実地調査が行われ、1件当たりの追徴税額は897万円と直近10年間の中で過去最高となったようです。

また、海外事案についても実地調査は1,008件行われ、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は149件で、統計の公表を開始した平成13事務年度以降、過去最高となったようです。

6.税理士が年間に扱う相続税の申告件数

平成27年の相続税増税により、相続税の申告件数は増えており、令和元事務年度は115,267件でした。それに対して、令和2年12月31日時点の税理士の登録者数は79,293人となっています。つまり、1人の税理士が年間に取り扱う相続税の申告件数の平均は約1.4件になります。

平成26年以前の相続税増税前は約0.7件でしたので、増税前よりは多くなっていますが、それでも年間に約1.4件では多いとはいえないでしょう。大半は相続税専門の税理士が引き受けることになると思いますので、相続税に強い税理士を選ぶことが大切です。

税務調査では追徴課税の有無という視点を重視して調査が行われますが、減額できるか否かという視点で調査することも大切です。今後は相続税還付の重要性も増してきます。

7.相続税還付の相談

相続税が高かったと感じた方は、もしかしたら相続税を納め過ぎているかもしれません。亡くなってから5年10ヶ月以内であれば申告内容を修正することが可能です。払い過ぎていた分は税務署に返金してもらうことができます。

相続税の金額が適切であったか確認したい方は一般社団法人相続財産再鑑定協会にご相談ください。理事長の佐藤和基は相続税専門の税理士ですので、相続に関する知識や実績が豊富です。税務調査が入った方についても減額できるか否かという視点で、相続税申告書の内容を無料で診断します。

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