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<目次>
1.資産税職員の人数
2.相続税の課税価格別の調査状況
3.実地調査の多くが修正
4.実地調査の日数
5.重加算税の課税される割合
6.銀行口座の調査
7.専門家への相談
全国の税務署で資産税(相続税、贈与税、譲渡所得等)の事務に従事する職員は令和元年度末で3,651人です。東京国税局管内では1,132人、次いで大阪国税局管内は649人、名古屋国税局管内は481人が税務署で資産税の事務に従事しており、この3局管内の計2,262人で全体の6割以上を占めています。なお、最も定員が少ないのは沖縄国税事務所管内で、令和元年度末で31人となっています。
資産税担当の職員が従事する事務の約20%(職員の稼働日数に占める割合)が調査事務で、残りの約80%は資料情報事務、申告審理や納税相談などの内部事務の対応に充てられています。税目別では、相続税に係る事務が約32%、贈与税が約7%、譲渡所得が約16%となっており、相続税にかける事務量が多いのが分かります。※その他の管理事務等が約45%のようです。
相続税の調査対象としては、相続財産の課税価格に応じて、下記の通り階級別に分かれています。
・低階級(5千万円未満)
・低階級(5千万円以上1億円未満)
・中階級(1億円以上3億円未満)
・中階級(3億円以上5億円未満)
・高階級(5億円以上7億円未満)
・高階級(7億円以上)
令和元年事務年度における相続税の実地調査件数では、合計10,635件のうち、中階級(1億円以上3億円未満)の層が最多の5,709件となっています。机上調査においては、低階級(5千万円以上1億円未満)の件数が最も多く、498件となっています。税務署が調査を省略したのは低階級(5千万未満)が最多で79,285件です。
低階級(5千万未満)の事案の合計処理件数79,609件のうち、ほとんどで調査が省略されているのが分かります。一方、高階級の事案では、5億円以上7億円未満の合計処理件数1,967件のうち1,275件、7億円以上の合計処理件数2,175件のうち1,298件で調査が省略されており、およそ半数近くは調査等が入っています。
実地調査の事案において、低階級、中階級、高階級のいずれも80%以上の割合で更正が必要(一般的には修正申告書の提出)と判断されています。
要更正の割合が最も高いのは低階級(5千万以上1億円未満)で、90.4%となっています。
1件当たりの実地調査日数について、低階級の事案では11.2日、中階級では13.0日、高階級では22.0日となっており、低階級と高階級では調査に係る日数が倍程度違います。
高階級では、相続財産の数や複雑な事案が多いことなどが考えられ、調査日数がかかるものとみられます。
相続税の実地調査における重加算税の賦課件数の合計1,541件のうち、階級別にみると中階級(1億円以上3億円未満)が最多で847件となっています。なお、賦課割合でみると低階級(5千万以上1億円未満)が24.1%と最も高くなっています。
これは、低階級では実地調査や更正の件数が少なく、重加算税の賦課が1件でもあると割合が高くなりやすいと考えれます。また、低階級では、そもそも相続税の申告をしていない無申告の件数もあると思われます。
相続税の調査では、銀行の預金口座を調べる銀行調査が多く行われています。階級別に見ると低階級では75.1%、中階級では80.6%、高階級では89.1%の割合で銀行調査が行われています。
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