山林を寄付する方法|売れない山林を手放したい方は必見

山林を所有していると毎年固定資産税が発生しますし、山林を所有している方が亡くなると相続税も課税されてしまいます。
また、物件によっては管理費用の負担や定期的に伐採費用等の負担が発生しているケースもあります。
そのため、税金等の費用の負担を減らすため山林の寄付を検討している方もいると思います。
ここでは、山林の寄付について解説します。

1.山林寄付の受け入れ先

山林の寄付を検討する場合は、まずは寄付の受け入れ先を見つけることになると思います。
寄付の受け入れ先として考えられるのは下記のものが考えられます。
〇自治体
〇個人
〇法人
〇自治会・町内会
〇一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所

2.山林を寄付する際に課税される税金

山林を寄付する場合は、寄付する先によって、寄付をした側に課税される場合と寄付をされた側に課税される場合があります。
ここでは、寄付をした側に課税される税金を解説します。

まず、自治体や個人に寄付をする場合は、寄付をした側に課税はされません。
※寄付を受けた個人は贈与税の課税対象となります。

法人に贈与した場合は、山林を時価で譲渡したものとみなして譲渡所得が課税されます。
※売却が困難で寄付をする山林の場合は時価が低く譲渡所得も低いケースが多いですが、市街地山林や中間山林の場合は、思ったよりも時価が高くなってしまうことがありますので、寄付をする前に時価を調べる必要があります。
なお、相続等により取得した山林を公益法人等に寄付した場合には非課税となります。

3.山林の寄付は難しい

市町村などの自治体では、有効活用できる見込みのある山林であれば、寄付を受け付けてもらえる可能性があります。
山林の内容が分かる課税明細書、謄本、公図、地図、写真などを用意して自治体の窓口で相談するのが良いと思います。(詳しくは下記4.山林寄付の際に必要な資料参照)
寄付を受け付けてもらえる可能性がある場合には、自治体の担当者が山林を調査します。
ただし、山林は有効活用することが難しく、基本的には寄付を受け付けてもらえないケースが多いです。

個人、法人、自治会・町内会についても基本的には自治体の場合と同様で、有効活用できる見込みがあるようであれば、寄付を受け付けてもらえる可能性がありますが、活用できない山林を欲しがる人は稀なため、寄付の受け入れ先を見つけるまでに数年はかかると見越した方が良いでしょう。

一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所については、下記「7.山林引き取りサービスの活用」で解説しますが、山林の寄付(無償引き取り)を受け入れられるケースも一定数あります。

4.山林の寄付の際に必要な資料

自治体等に山林寄付の相談をする際には、下記の資料を用意しておくと手続きがスムーズになると思います。

①固定資産税の課税明細書
毎年1月1日時点の不動産の所有者には、5月前後に市区町村役場から固定資産税の納税通知書と共に課税明細書が送られてきます。
固定資産税の課税明細書には、所有している不動産の所在地番、評価額、地積、固定資産税等の情報が記載されていますので、査定額を計算するために必要です。
ただし、山林は評価額が低く固定資産税が課税されていないケースもあります。
その場合には市区町村役場で名寄帳を発行してもらいます。
名寄帳は固定資産税の課税明細書とほぼ同じ内容が記載されています。

②登記事項証明書
登記事項証明書は法務局で取得することができる書類で、土地の地番、地目、地積、所有者の情報などが詳しく書かれている資料です。
なお、登記情報は現在コンピュータ化していますが、コンピュータ化する前は紙の登記簿に記載されている事項を複写して交付しており、その複写した書類を登記簿謄本と呼んでいました。
そのため、今でも慣習的に登記事項証明書のことを登記簿謄本と呼ぶ場合があります。

③公図、地積測量図
公図は法務局で取得することができる書類で、土地の区画・地番を示した図面です。
公図を確認することで山林の形と場所がどこなのか把握することができます。
※山林の場合は、公図だけでは場所の特定が困難なケースも多いですが、参考資料になります。
地積測量図も法務局で取得することができる書類で、土地に関する測量の結果を明らかにした図面です。
公図よりも正確に土地の形状や地積が把握できます。
ただし、山林の場合は測量していないケースも多いため地積測量図がないケースも多くあります。

④森林簿、森林計画図
森林簿は自治体から交付を受けることができる書類で、森林簿は森林の所在、森林の所有者、森林面積及び樹齢や材積等の森林資源情報を取りまとめた帳簿です。
森林計画図は、地域森林計画の対象となる森林を、樹種や所有形態等で区分けした図面です。

⑤その他写真など参考になる資料
上記①から④以外にも参考になる写真や過去の契約書等、取得の経緯等がわかるものがあると参考になります。

5.山林の寄付が困難な場合に手放す方法

所有している山林の立地条件が良く、キャンプ場などで利用できる場合には寄付できるケースもありますが、大半の山林は活用することが難しく寄付先を見つけるのが困難です。
自治体等に相談をしても積極的に取り組んでくれるところは少なく、年単位で解決できない方も多いと思います。

山林の売却も寄付もできない場合には、相続土地国庫帰属制度の活用又は山林引き取りサービスの活用をお勧めします。

6.相続土地国庫帰属制度の活用

相続土地国庫帰属制度は、相続等により取得した不要な土地で、一定の要件を満たす場合には国に引き取ってもらえる制度となります。
相続土地国庫帰属制度について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

相続土地国庫帰属制度の要件|山林や農地の適用可否

相続土地国庫帰属制度は要件を満たす場合には、審査手数料と負担金の費用が発生しますが、国に引き取ってもらうことで、山林にかかる税金の負担などから解放されます。
ただし、引き取りの条件が厳しく残念ながら活用できないケースも一定数生じてしまいます。
そのような方には一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所が提供している山林引き取りサービスの活用をお勧めします。

7.山林引き取りサービスの活用

山林引き取りサービスは、理事長の佐藤和基(佐藤和基税理士事務所)が令和元年7月から開始したサービスで、山林等を専門に扱う不動産会社等と提携して不要な不動産を引き取るサービスです。
※地目は山林以外でも対応可能です。(一部の農地は引き取りできないケースもあります)

山林引き取りサービスの具体的な内容について説明します。

〇申込ができる人
相続土地国庫帰属制度は相続等により土地を取得した人か共有者の中に相続等により土地を取得した人がいる場合でないと申請できません。
山林引き取りサービスは、取得原因を問わずに申込可能です。
相続又は遺贈だけでなく、原野商法で騙されてしまった方、売買、贈与などにより取得した方、個人か法人かを問わずご利用いただけます。
また、申込は基本的には不動産の所有者ですが、ご家族の方やご相談を受けている士業、不動産会社の方による代理でのお申込みも可能です。

〇申込先
山林引き取りサービスのお申込みは、まずはお問合せフォームからお問合せください。
※一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所のどちらからお問合せいただいても対応可能です。
お問合せをいただいた方にメール添付にて、申込書を送付しますので、申込書と必要資料(固定資産税の課税明細書など)をメール、郵送、FAXなどでお送りいただけましたら、引き取り費用のお見積りをします。
なお、事務負担の関係で郵送等で提出していただく場合は、資料の返却を行っておりません。
そのため、郵送等の場合はコピーでの提出をお願いします。

相続土地国庫帰属制度は、引取の審査に半年から1年かかる見込みですが、山林引き取りサービスのお見積りは1カ月程度で可能です。
※お急ぎの方は最短で翌日から1週間以内にお見積りを提示可能です。(お急ぎの場合は複数社での相見積りができないため、他社との比較ができない点はご了承ください。)

〇手数料について
相続土地国庫帰属制度は申請時に審査手数料が1筆当たり14,000円かかりますが、山林引き取りサービスはお見積りまでは無料となります。
引取可能な場合には、引取費用が発生します。
※基本的には引取費用をお支払いいただくサービスですが、物件によっては無償又はプラスでの売買が可能なケースもあります。

〇引き取り可能な土地
基本的には地目を問わず、すべての不動産について引き取り可能です。
農地は農地転用(他の地目に変更)可能な場合に引き取り可能です。
お見積りの結果、予算を超えてしまうなどの理由で山林引き取りサービスを利用されない方もいますが、お見積りまでは無料のため、お見積りの結果、山林引き取りサービスの利用をしない方には費用は発生しません。

不要な不動産の処分でお困りの方は一般社団法人相続財産再鑑定協会にご相談ください。
※相続土地国庫帰属制度の利用と同時並行でのご相談も可能です。

相続土地国庫帰属制度と山林引き取りサービスの違いを比較すると下記の通りとなります。

 
  山林引き取りサービス 相続土地国庫帰属制度
利用できる人 個人法人問わず誰でも可 相続等で取得した人のみ
共有の場合 1人だけでも可 共有者全員でないと不可
審査手数料 無料 発生する
負担金 無料又は発生する 発生する
引き取りできない土地 農地以外はなし※1 10項目ある
承認の取消し(契約不適合責任) 基本的になし※2

ある

審査期間 1ヶ月~2ヶ月 半年~1年の見込み

※1.農地は農地転用(他の地目に変更)可能な場合に引き取り可能です。
農地転用できない場合、提携先に農地所有適格法人がありますので、条件があえば引き取り可能なケースもあります。
※2.山林引き取りサービスの提携先は基本的には不動産会社であり、引き取るリスクを承知での契約となるため、基本的には契約不適合責任は発生しませんが、一部不動産会社以外が引き取り主となるケースもあるため、契約時にご確認ください。

8.山林引き取りサービスの引き取り後の活用例

山林引き取りサービスをご利用いただく不動産は、売買や寄付ができずに手放せない物件となりますので、一般的には活用が困難であるケースが大半です。
そのため、引き取り後に長期保有となってしまうことが多いですが、活用できるケースでは下記のようなものがありました。
〇キャンプ場やサバゲーとして利用
〇別荘地として利用
〇キノコの栽培目的で利用
〇植木屋が植木を育てるために利用
〇林業として利用
〇猟師が狩猟目的で利用
〇自然保護活動をしている団体が自然を再生すために利用
〇太陽光発電設備の設置のために利用(農業を継続できる営農型太陽光発電など)

9.山林・原野・別荘地・農地を手放す相談

不要な不動産の処分でお困りの方は、一般社団法人相続財産再鑑定協会及び佐藤和基税理士事務所にご相談ください。
山林引き取りサービスは審査手数料等が発生しませんし、お見積りまでは無料となりますので、気軽にご相談できます。
また、相続土地国庫帰属制度の利用と同時並行でのご相談も可能です。

10.不動産業界にお勧めの資格

不動産業界は、物件の売買・賃貸を仲介する不動産仲介業者、商業施設、ビル、マンション等の開発業者、注文住宅等を手がけるハウスメーカー、マンションや一戸建ての販売を手がける住宅販売会社、不動産物件を管理する管理会社など、その業務は多岐にわたります。

不動産業の方には相続土地国庫帰属診断士の資格がお勧めです。

多岐にわたる不動産業の中でも、山林、原野、別荘地、農地などの問題解決は困難なものですし、専門に扱う方は少ないのが実情です。
相続土地国庫帰属診断士は、相続土地国庫帰属制度や山林引き取りサービスの内容を理解して、不要な不動産の処分にお困りの方に対して提案をすることで、問題解決にお役立ちできる可能性があります。
また、不要な不動産の問題解決をすることで、顧客との信頼関係を築くことができ、他の宅地の売買等のご相談を受けるきっかけとなります。

相続土地国庫帰属診断士について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

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相続税の教科書(応用編)

  • 第1章.土地評価
  • 第2章.相続税還付
  • 第3章.生命保険
  • 第4章.相続手続・節税
  • 第5章.山林等の処分
  • 第6章.相続の統計情報